さよなら渓谷

2013年6月22日公開 ≫オフィシャルサイト

残酷な事件の被害者と加害者。 15年の時を経て、ふたりは夫婦となった。 原作：吉田修一「さよなら渓谷」　脚本：高田亮、大森立嗣　監督：大森立嗣　プロデューサー：高橋樹里、森重晃　製作：細野義朗、重村博文、小西啓介　音楽：平本正宏　エンディング・テーマ：真木よう子「幸先坂」 出演：真木よう子　大西信満　鈴木杏　井浦新　新井浩文　鶴田真由　大森南朋　ほか 「悪人」「横道世之介」などで知られる芥川賞作家・吉田修一氏の同名小説を映画化。真木よう子が「ベロニカは死ぬことにした」以来、7年振りに単独主演。「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」「まほろ駅前多田便利軒」の大森立嗣監督がメガホンをとり、監督の実弟・大森南朋も週刊誌記者・渡辺役で出演。2013 モスクワ国際映画祭 コンペティション部門　審査員特別賞授賞。 　緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。実母が容疑者として逮捕され、事件は終息へ向かうと思われた。そんな中、隣家に妻とふたりで暮らす尾崎俊介（大西信満）に、その母親と不倫関係にあったという疑惑が浮上する。その証言をしたのは、なんと俊介の内縁の妻、かなこ（真木よう子）だった。現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺（大森南朋）は、15年前に起きた、レイプ事件にたどり着く。それはふたりの夫婦の、とてつもない秘密を暴き出す。R-15

C A S T 尾崎かなこ ・・・ 真木よう子 尾崎俊介 ・・・ 大西信満 ・・・ 井浦新 ・・・ 新井浩文 小林杏奈 ・・・ 鈴木杏 渡辺の妻 ・・・ 鶴田真由 渡辺一彦 ・・・ 大森南朋

考えれば考えるほど、二人の関係は危うく、狂気。 二人の関係を知らずに観ていたら違ったのだろうか。 傍から見ればどこにでもいる夫婦だった。 でもそこには想像できない過去があった。 絶対一生、同じ空気を吸うことも、すれ違うことすら嫌な相手。 その相手と交わることができるのか。でも当事者でないと分からない。 私たちのことを何も知らない相手に何も言う権利は無いのかもしれない。 でも被害者が苦しみ、ぶつけるならばこの人しかいないのかもしれない。 事件のことで被害者なのに好奇の目にさらされている。 性犯罪者は殺人と同じくらい重罪と思っているので、こんなことは書きたくは無いが、 加害者もちゃんと過去を背負っていることで成り立っている。 「別に死んでもいい」と思うような人間性であれば、成り立たなかったであろう。 緑豊かな渓谷で幼児殺害事件が起こり、容疑者として実母の立花里美が逮捕される。 しかし、里美の隣家に住まう尾崎俊介の内縁の妻・かなこが、 俊介と里美が不倫関係にあったことを証言。 事件の取材を続けていた週刊誌記者の渡辺は、必要以上の生活品を持たず、 まるで何かから隠れるようなふたりの暮らしに疑問を抱く。 そして、15年前に起きた残酷な事件を知る。 どうしてこの二人が出会ったのか、どうして一緒に暮らしているのか。 どんな気持ちでいるのか。どちらも聞かない、答えを出さない。出せない。 当たり前の生活をして、補えるものはあったのだろうか、 ぶつけあって、罵って、正気でいる方が辛いのかもしれない。 最後の答えはどちらだったのか。 でも答えに一瞬の迷いも無かった。それが答えでいいのかもしれない。　（'13 3/28 DVD視聴）